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2004年1月 |
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皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年のお正月は穏やかな三が日で、気持ち良く初日の出を拝み、(犬は早起きだし、私は生真面目な性格なのです。)
奥さんお正月から、なにか私に不満気な顔ですが、私は確かに初日の出に犬風拍手を打ったのです。たとえ、パタパタと迫力のない音だとはいえ。
元旦に早起きできたのも、実は社長さんのお陰です。大晦日の夕方、白い綺麗な板を持ち帰った社長さん、私の家の屋根を外し、床の寸法を測り、ノコギリでその板を切って、床に敷いてくださいました。
「“まる”今晩から温いで、床は二重やし、無垢の桐板や。ほこ、ほこしてよう寝れるよ。」と、いう訳で私は又しても、無垢の木の良さを実感し、恩恵をありがたく受けたのです。幸せなお正月でした。
本当に桐の無垢板は温かく、柔らかいです。
一言でいえば、優しい木なのです。私の毛並みに逆らうことなく、そっとおいで、おいでをしてくれる木です。社長さんのおっしゃる通り除夜の鐘の音を聞いたあとは、2003年の幸せに感謝し、来る新しい年が私にとって、輝かしい栄光の年になることを、願いながらぐっすりと眠らせていただきました。あー、気持ちが良かった。
さて元旦、厳粛に2004年が明け、道行く方々とおめでとうございますの挨拶を交わします。今年も猪谷工務店の看板娘を自負するならば、ぼんやりはしていられない。にこやかに、丁寧にが私の信条。桐板の恩返しを社長さんにしなくては私の気甲斐性がすたります。
その後は、例年通りお重箱に入れられなかった、おせちを奥さんよりいただきます。芽の取れたクワイ、松笠コイモの笠のはずれたの、今年は奥さんのしくじりか焦げたゴマメが沢山あったこと。私も一度位、芽の伸びたクワイを食べたい。そしたら、きっと思わぬ芽を出し、びっくりするような営業成績を上げると思うのですが。
でも、社長さん、桐の無垢板には本当に感謝しています。猪谷工務店のモットー『住む人が心豊かに暮らせる家づくり』とはこのことですね。私もひとりでも幸せな方を増やせるように《いのこうスタッフ》の一員として頑張ります。
今年も良い人柄の、いえ良い犬柄でしようか、どちらにしても猪谷工務店にふさわしい営業部長犬の“まる”です。
皆さま、よろしくお願いいたします。
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2004年3月 |
桃のお節句が近づき、暖かくなってきましたね。なんだか期待に胸ふくらむ季節。 春うららで心が浮き立ち、夕方の散歩の足取りも弾みます。4本の足がワクワク気分になると、それは賑やかですよ。
先日、いつもの散歩コースに素敵な紳士がいました。(勿論、犬です)思わず私、回りのことを省みず、走って追いかけようとしました。場所は運河に架かる橋の階段の中ほど。その時、奥さんが手綱をグイと引っ張りました。
私は、あっという間に階段をすってんころりん。可哀そうなヒロインの私。見上げれば、笑いを噛み殺した奥さんが口先だけで、「“まる”大丈夫。」と言っています。
そばにいた学校帰りの子供たちが、「“まる”が階段から、落ちた。」と騒ぐし、中にはやけに、大人びた子がいて、「犬でも、階段から落ちるんやな。」と冷静に低く静かな声で言っています。私の一大事が、その子には哲学的発見になったのでしょうか。物笑いになった私のプライドはどうしてくれるのです、奥さん。それより、一番悲しいのは、先ほどの紳士が、後ろのドタバタ騒ぎに、まるで気づかぬ風に散歩を続け、彼好みの可愛いワンワンに色目をつかっていることです。心うきうきも何処かへ飛んでいき、泣きたい気持。しおしおと奥さんに伴われての帰り道、世の中が灰色に見えました。
グシュン。(私の涙と鼻水の音)
やっと、我が家にたどり着きました。だけど、住み慣れた家はいいな!辛い時もやさしく迎えてくれます。勿論自分好みの造りの家であってこその話ですけどね。家って不思議ですね。囲いの中に入るともう自分だけの世界です。大声で怒っても、泣いても全て受け止めてくれますものね。そのあと心落ち着かせて、寛げるのは、心安らげてくれる自然素材に囲まれた家に勝るものはないでしょうね。私の家も無垢の木。造って下さった社長さんありがとう。
と言うわけで、しおしおと帰ってはきましたが、ドッグフードで夕食を済ませたあとは、やさしい我が家に心と身体の打撲傷を癒され、いつもの私に戻りました。
早春の西陽が桧造りの家に暖かく差し込んできます。ほんわか気持の良いこと。明日はきっと良いことがある。『住む人が心豊かに暮らせる家づくり』そのモデルハウスの我が家に暮らしていると心は前向きになります。これはほんとの話。
皆さまに、無垢の木造りの家の良さを、お教えするために、お茶の時間にでも御招待しましょうかしら、ねえ、奥さん。
皆さま、お待ちしています。
私のお入れしたお茶は、美味しいですわよ。 |