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『世代を超え、新しい命を繋げる』

新緑の目に鮮やかなこの頃ですが、皆様お変わりありませんか、私は今年も例年通り、花粉症に悩まされて、早く夏になって欲しいと願うこの頃です。6月になれば好物の栃の木の蜂蜜を、今年は売り切れる前に申し込んでおかなければと思っています。
さて、いのこう通信も今回で100号になります。拙い文章の上に、エエかっこばかり書きましたが、皆様に支えられてここまで続き、ありがたく感謝しております。紙面を借りてお礼申し上げます。
私は現在、江戸後期から明治初年に建てられた建物の再生工事をさせて頂いております。最初、建物の構造の調査からはじめまして、天井裏や床下に潜り込んで構造体の寸法や傷み具合などを調べ、骨組は図面化し、水平垂直の歪みを実測することから始めました。工事はもちろんですが、解体からの着工になります。初めは、残して使える建具の写真を撮って寸法を測り、床板とか柱、床組みの骨組みなど傷めないようにはずして保管していきました。柱の太さは母屋よりは細い4寸と3.5寸角で、梁は勿論内地の赤松です。木組みは勿論、込み栓と鼻栓と渡り顎の組み合わせによる伝統工法です。柱の材は内地の栂が使われてありました。(江戸時代、桧材は徳川家系以外使えなかったのでしょう)しかし栂普請と言われるくらいで、栂の柱は庶民の間でも高級な家しか使っていないと思います。細かい柾目のいかにも硬そうな木です。表面には「ベンガラ」を塗ってその上から荏胡麻油を刷り込んであったと思いますが、経年で随分薄くなって艶もなくなりかけてきています。解体工事を始めて最初に驚いたのは木組みに書かれた大工さんの符号の墨文字の達筆な事です。これだけの文字を書けるとなると当時としても相当教養を積んで、なお大工の技術を習得されたものと思います。そして、木材を外していきますと昔の大工の手仕事の跡がだんだん見えてきて感心ばかりする毎日でした。造作材の一本一本に細かい加工をして、雇い実という板を噛み合わせるため、別の木を加工して、それを組み合わせて組みたててあります。特筆は縁側の床板と外壁の竹の木賊張りです。縁側の床板は赤松の3尺幅一枚板で、裏から雇のチギリをはめ込んで釘を使わず順番に嵌めこんであり、順番を間違うと全部壊さないと外せないようになっていました。また外壁腰張りの丸竹半割の木賊張りは竹の合わせ目の一本一本を鉋でしゃくり、重ね合わせの見えないところから竹の釘を打ちこんで止めてありました。表面はかなり傷んでいましたが、余りにも手が込んだ仕事に大工と達と感心してしまい、壊すのが勿体ないのでそのまま残すことにしました。まさに現代の一歩が昔の百歩ぐらいの差はあると思います。現代の効率優先の社会に、このような仕事を、直近に見せてもらった喜びを感じつつ、仕事をさせてもらっていました。竹中邸
縁側の床に使ってあった赤松の一枚板の古材を「ベンチと地袋のカウンター」に再生しました。これは現代の木工機械と、それを使いこなす大工技術が有って、出来たものと思います。まさに、世代を超え、新しい命を繋げることができました
皆さま、これからもよろしくお願いいたします。

 

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