福が来ますように願いを込め、節分に、巻寿司のまるかじりをしたのもついこの間の様に思います。早いもので早や三月、ずいぶんと、寒さも和らぎ、さあーやるぞーと思い切り伸びをして活動開始された方も多いかと思います。
いかがお過ごしですか?2月は通信を休ませていただき失礼しました。
相変わらず、元気でがんばっております。
自宅を改装しました
今年の正月、義母が来て、開口一番「木の家は温もりが有るね!」でした。木の家の話などした事も無いのに、びっくりしました。思わず口に出るのでしょうね。
実は、昨年の暮れから正月前に自宅の改装をしました。
「工務店の家で無かったらこのままでも良いけれど、これでは??」と言うことになって、10数年来の大決心でした。
住みながらの改装は、掃除、カタズケ、埃との戦いです。(仕事柄分かっているつもりながら、さて自分が当事者となると、やっぱり愚痴も出ます。お客さんは我慢してくれてはったんやなーと、ほんま思いました)
過去に工事させていただいた方には「えらいご迷惑お掛けして済みませんでした。自ら体験しまして、骨身にしみて感じておりますので、今後は、いま以上に気をつけてやらせてもらいます。これに懲りずに宜しくお願いします。」いまさらここで、謝ってどうすんねん(笑う)職人さんのお陰で何とかコマシナ内装(大阪弁で変換できません。すこし良いの意味)に成ったかと、自己満足しております。やった甲斐がありました。
ちょっとだけ自慢させてもらいますと、床板が胡桃のフローリング、腰板に桧のピーリング、部屋のコーナーに桧の磨き丸太を、でーんと立て、入り口の建具を、内地桧(節有り)の框戸で腰に無双の空気抜きを付けました。
残りの部屋は桐の無垢の板を、既存の床合板のフローリングの上に釘打ちで簡単に貼ってもらいました。これが結構足触りがよく、(勿論、胡桃も良いですが)納得です。あと少し直したい所も有りましたが、本業の方が大事ですので、またお金を貯めて、暇な時に残りの仕上げをやろうと思っています。是非お近くにお越しの節は、お立ち寄り下さい。
中学生に職業講話
今年も旭陽中学高での、職業講話を、お引き受けし、子供達に建築の道に進むには、という内容で、話しをしてきました。
建築科=理系と考えず、文系の勉強もしっかりして、進んで欲しい事、出来上がったものが残る喜びと、責任感、の裏表に付いて、また歴史に例をあげて、東大寺南大門の屋根裏から見つかった当時の大工さんの「墨壷」の事、「大工が自分の命の次に大事な道具を天井裏に忘れるわけが無い!」(大きな声で、思いっきり強調)、また新薬師寺の仏像の台座の修復の時に光明皇后が聖武天皇の病気平癒の為、納めたとされる経典巻物(国宝)が発見された話と、台座の板の裏に大工の書いた落書き(天平、天平、天、天、天 と、墨さしで書かれたもの)なぜ道具を天井裏に残したのか?なぜ落書きをしたのか?見つかれば首を斬られたかも知れない。(ゼスチャーも入れて)そんな時代に、「私は、建築人、大工の心意気、ロマンを感じた」そして、最後に自分だけのことを考えずに他者に対する配慮、優しい心を持って物づくりをして欲しい事を話し、講和を終りました。
「理解(わかって)くれるかな?」そう思って話しましたが、
みんな真剣に耳を傾けてくれ、私自身の心が、子供たちの純真な眼差しに、洗われたような気に成りました。
後日、感想文に、こんな一節がありましたのでご紹介して終わります。
「猪谷さんの建築に対しての気持ち、ロマンの話が、心に伝わって来ました。また、話をして下さい」
(ほろっとしたり、苦笑い)です。 |