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やっと、ながーい、梅雨も明け、蝉が鳴きだした今日この頃です。
蚊取り線香を脇に置いて、縁側でスイカを食べながら夕涼み、日が暮れたら花火をする。「夜になっても暑くて堪らん」これぞ日本の夏、といった季節が始まりますが、今年は冷夏なのでしょうか?こんな涼しい天神祭りは初めての経験でしたし、阪神の強さも本物(異常)なら、この気候も異常でしょうか?しかし、何といってもこれからが夏本番、このお便りが届く頃にはうだる暑さになっていることと思いますので、皆様も『元気良く、この夏を乗り切りましょう』
とはいうものの5月、7月を休んでしまい誠に申し訳ありませんでした。こんな調子ですと営業部長の“まる”にまで馬鹿にされますので今日は何としても書き終えないといけません。眠い目を漉すって奮闘中です。(涼しいから楽???)と、思っていましたが、やっぱり変わりませんよね・・

さて、先週の日曜日に京都の清水焼の瀬戸物市に行って来ました。よくもまーこれだけの陶器が並んだものと感心しました。見るだけのつもりが、結局何点か目に留まった雑器を買ってしまいました。手提げに入れて持って帰り(重かった)、さっそく食卓に並べて使っていますが、器が変わると、食事も美味しく感じます。
(そんな小さな事を日々楽しんでいます)そこで今月は、市で買ったその中の1点、ケヤキの漆椀にちなんで、ケヤキと漆のお話をさせて頂きます。なんで、陶器市で漆器の紹介?と言わずに最後までお付き合い下さい。

先ずはケヤキの木の紹介からはじめます。ケヤキは建築用に珍重され、広葉樹の王様的な存在で、樹形、特に枝張りが見事で各地に有名なケヤキの大樹があります。
建築用に使用するにあたっては木が狂いやすく、どの程度狂うかの見極めが難しい木です。同じケヤキでも性質が、おとなしく狂いの少ないのと、狂いやすいものがあり、前者はアカゲヤキ、後者はアオゲヤキと呼ばれています。
勿論価格も相当違います。
その他、竹林(モウソウ竹、マダケ)の中に生じるケヤキ(ヤブケヤキ)は枝が少なく、外形は幹が直通ですが、幹を常時竹で叩かれ、板にしたとき、年輪に沿って割れが生じやすく、材の価格は安くなります。 (竹やぶに育ったケヤキは外形が良くても買うものではないと言われています。)

その他、ケヤキをヤマゲヤキとサトゲヤキにわける事もあり、ヤマゲサトヤキは山地性の自然生で、材が素直で材色は赤く、ゲヤキ、(里に生育、低地)成長が早くて、狂いが大きいので使いにくい木です。
『近年、ケヤキは、高価ですので、無垢ではあまり使われません。「突き板集成地板」といって、板を薄く0.1から0.2oに、機械でスライスして合板の上に貼れば、厚さ2寸の板から何百枚ものケヤキ集成地板が出来てしまいます。その方が材木業界の企業の生産性が高く、無垢板の価格は集成材の出来高数換算で計算され、値段が余計に高くなっています。
アカゲヤキがヤマゲヤキにあたり、アオゲヤキがサトゲヤキと言えますが、サトゲヤキの中にもアカゲヤキがあります。
先月もご紹介させて頂きましたように、玉杢が珍重され、今も高価な建築材料です。その他、大黒柱や構造梁(これは無垢材)に、昔はよく使われていました。

次に漆の話をします。日本で漆は随分古くからいたる所で使われ、石器時代に石の鏃を竹に挟み、藤蔓で括ってその上から漆を塗ってあり(接着剤として)、漆のしみこんだ部分が、今でも腐らずに残っています。
また、縄文時代の遺跡の発掘調査では生活雑器として漆器が発見されています。弥生時代以降の発見例が白木のままに対して、縄文時代の資料がむしろ装飾性の高さが指摘されています。主に椀、杓子、注ぎ具その他で、縄文前期、中期は二、三回の重ね塗りに対して後期の椀、杓子は六〜七回の重ね塗りがされてあり、材料としては、栃の木と桜類は、鉢、浅鉢、皿、椀、イヌガヤは壷、注ぎ具、杓子、等に使われています。ケヤキは奈良.平安時代の資料で使われている事がわかっています。(ケヤキは前述の木より硬いので鉄の刃物工具が開発されて加工が出来たと思います。)
こんな事を調べていますと本物の輪島塗、津軽塗、会津塗、何れかの椀が欲しくなって来ました。(しかし高いでしょうね?)


最後に
大量生産品ではなく、当社の家づくりも
『本物の手作り』に、今以上、より以上、もっと目を向けてみたいと思いますので、今後ともご指導の程お願い申し上げます。 やっと終わりました。

夏の夜明けは早く、もう東の空が白んできました。
『“まる”偉そうにゆうたら散歩連れていたらへんで』とは言うものの、大事な営業部長です。ちょっと早いですが今から散歩に行ってきます。
夏の夜明けは気持ちがいい・・・感謝 感謝。



参考資料:『木と民具』日本民具学会編、
       『日本の工芸』2漆、淡交新社
 

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