寒さも和らぎ、ほのかに、梅の香りが漂う頃になってきました。早いもので、三月の声を聞きますと、木々の芽も一気に膨らみ、もう直ぐ桜の季節になって来ます。
先日、会社のみんなで、東大寺のお水取り(修二会)の見物に行ってきました。日が落ちてあたりが暗くなった頃、僧侶が大松明を廻しながら、素足で回廊の床を踏み鳴らし、走ります。そして欄干から見物人の上に舞い落ちてくる火の粉。
儀式の全てに古都の伝統の重みを感じました。由緒の詳しいことは色んな書物に紹介されてありますし、私も「修二会(しゅにえ)」を「しゅうにかい」と読まない程度の知識ですので、ここでは省略させていただきます。
関西は、お水取りがすまないと暖かくならないと昔から言われますので、まだまだ寒い日があるかも知れませんので皆さんお体に、気をつけて下さい。
話は変わりますが、今年も近所の中学校からの依頼で、職業講話の時間に「建築の話」をして来ました。これは子供たちに生きた社会勉強をさせたいという、中学校の方針のもと、授業の一環として、毎年、各職業の方が、それぞれ講師をされます。子供たちは志望の職業を選んで教室で聴講します。
その中の、私の受け持ちの建築の話には、毎年夏休み工作教室に参加してくれていた小学生が、中学生に成って参加してくれました。去年と同じように建築人や大工さんの家造りのロマンに付いて力強く話しましたが、みんな解ってくれたかな?何年か先の楽しみです。
春と言えば、木造建築の言い伝えに「春はしゃぎ」と言って、春風を工事中の建物の中へ入れすぎると、無垢の木が急激に乾燥し過ぎて、柱、梁、板がひび割れたり、反ったりするので窓を閉めたり、シートで覆ったりして風を入れないように注意するよう教わりました。(冬の低温から、春先に急に気温が上がれば、かなり相対湿度が低い空気になる)
逆に秋の風は湿度が高いので(春と同じ気温でも全く春と反対。秋口は洗濯物を早く取り入れないと湿気ると言われたように、高温の空気が秋口に冷やされて、相対湿度が高くなる)自然に乾燥してくれるので、窓を開けて風を入れるように言われていました。
埃っぽい季節になりますので、小まめに、ハタキを掛けて、高い所の埃を落とし、それから掃除機を掛けると言ったことがこの時期の掃除の基本です。また埃だけではなく、スギ花粉もそろそろシーズンになり花粉症の人には本当に鬱陶しい季節になって来ます。かく言う私も、花粉には毎年悩まされ、昨年は6月ごろまで苦しめられました。
そこで今年は、冬の初めから出来るだけ暖房はしない、窓を開けて風を通す、鼻から塩水を口の中へ通して鼻の穴を洗う、お風呂上りに冷水をかぶる、乾布摩擦を「たわし」を使ってする。朝起きたら直ぐ裸になって風呂場で冷水をかぶる。(さすがに1月の寒中の最中は厳しかった。)同じく「たわし」で全身乾布摩擦を、今冬中、毎日、朝晩やり通しました。
さてさて、この努力の甲斐もなく、今年も花粉に悩ませられるか?鍛えた自分でアレルギーに打ち勝てるか?今年は花粉の季節を迎えるのが楽しみです。
温暖地の関西圏の都会に住んでいますと、本当の冬の厳しさなど全く解ってないと思います。雪が解けて、春の兆しが見えるころ、雪国の人は、ほんとう実に嬉しいそうですね、その万分の一でも同じ喜びを感じられたらなら、自分たちの目指す家づくりのデーター作りの参考になるかと思っています。
若い社員からは、年寄りの冷や水と笑われながら、今年の冬は頑張りました。皆さんも笑わないで下さい。通信に書いたからと言って、何方にも強要するつもりも全くありません。
また、決して私の真似はしないで下さい。しかし、乾布摩擦の後、冷たい下着を着た時の、シャキッと気持ちが引き締まり、気持ちが良いですよ。さて花粉症はどうなるか、次回の記事でご報告します。 |